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空の樹 I

「日本」とそこに棲まう日本人と"sheeple”についての寸考(誤字等修正)

【海外の反応・総集編】「日本は時代に取り残された国だろ?」ノーベル経済学賞受賞者が日本を痛烈批判→1本の映像で論破され、完全沈黙した衝撃の理由に世界が驚愕【日本称賛】
ーー 動画情報を鑑賞して懐いた感想をすこし長くなるけれども、以下に述べてみたい。現段階では、ほぼオートライティングに近いので、読みにくさと臆断と論理的不整合が混在する結果、何を言いたのか歴然としない論考メモであるがご容赦を。
 なお、この拙文の後段には、例の”sheeple”という言葉が登場するのでご注意を。おって、以後、随時加除訂正の予定。
(→10/23、誤字等修正)
 さてーー
 まず“感じた”ことは、〈内〉〈外〉の論理、というより、その種の感覚がここには欠落している、ということ。
「日本」(ここでは国ではなく日本人の集合無意識、言い換えれば日本文化の根底にある心性)とそこに棲む日本人にとって、これらは感性の範疇なので、日々の生活すなわち生業(わりわい)において、いわば“慣性”となり、それゆえに、往々にして自同律由来の“陥穽”も生じうる危うさを胚胎している。
 この感性において、「外国人」はもとより〈外〉に位置する。日本国籍を取得しただけでは、社会制度上の処遇の変化は生じても、感性領域に在る〈内〉なる日本人とは見做されない。日々の生活や仕事環境に依拠した様々なさりげないテストにより、慎重かつ暗黙裏に「日本人にとっての諸常識」への浸透度(=理解度+順応度)の程度を観察される。
 そして、当人の知らないうちに課されているこのテストをクリアしない限り、いつまでたっても〈外〉から来た者、つまり「余所者(よそもの)」であって、その意味おいて、外国人観光客や外国人居住者と同等の対応となり、彼らが穏やかに振る舞えば「(破格の)優しい」対応を受けるのである。
 しかし、もし〈内〉側の存在と見做されれば、もともと“外来”の彼らであっても、その情況は徐々にではあるが、大きく変わってくる。つまり、ポール・クルーグマン博士が指摘したような、「日本内部」のさまざまな矛盾や不完全さ、非効率さから無縁ではいれなくなるのである。
 彼らもまた、一般庶民の一人として、同教授が指摘したよう「生きづらさ」に直面し、これおと折り合いをつけて生きてゆくことになるのである。そしてこのことが、皮肉にも、〈内〉なる日本人と認められ、「真の日本人」の一員として遇されることでもある。
 この意味において、同教授は「日本」という存在論的な文化的様式の〈内〉側を、統計的・俯瞰的に暴いて見せたという点で、誤ってはないない。つまり、彼がたじろいでしまったのは、ターゲットである「日本」の感性領域の、いわば“実践惰性態”を最先端の経済学的知見のみで「説明」し尽くそうとした点に無理があったーーということなのである。
 したがって、この意味において、彼は決してフェイタルな誤謬を犯しているわではない。
〈内〉と〈外〉の論理は、人間存在Human-being(=人間野生Human-nature+人倫Humanity)において、その存立上不可欠の要素の一つである。人種・民族を問わず、肉体を具有して地上を生きるすべての人類個体に、この“論理”は内在している。
 しかしながら、「日本」における〈内〉〈外〉は、論理というより感覚レベルで息づいているものものであり、これは、つねにぶれることなく生活に根ざした感性領域にあり、空間や時間や他者との「間(ま)」として、絶えず感受されている。
 したがって、ロゴス(言語、ことば)を全面に押し出して対象を認知し距離を測る欧米的生業とは、基本的に立ち位置を異にしている。
 この心性は、「神道」が人びとの日々の生業の中で「空気」と同じくらい無意識のうちに“浸透”しているのと同じレベルにあることを示している。
 ただ、〈外〉からやってきた人は、この日本的〈内〉と〈外〉の感覚的スリットを認識(より精確には見抜く、喝破する、直観する)ことができない。もちろん、短期間の観光の場合は100%生じない。そこで認識されるのは、あくまで〈外〉からやってきた者への「気遣い」であり、その延長線上での「優しさ」にほかならない。
 よって、外国人観光客たちの一部が懐く日本へのそこはかとない愛好・愛着心は、この心的範疇によるものであることを見落としたままで、イノセントに語る(情報発信する)べきではない。「日本」は、ますます誤解を受けるだけである。
 言い換えれば、「日本」とそこに棲む日本人は、訪日外国人の多くが懐いているような、単なる“ユニーク”な国や国民ではなく、もっと“複雑な皮膜”に被われ存在であり、〈内〉と〈外〉の「二面性」がまるで息をするかのように(=空気のように)、日々の生活のなかで島国の津々浦々に根を下ろしており、目覚めている間は休むことなく息づいているのでる。
 繰り返すが、それは、「神道」なる日本古来の宗教体系が空気のように、人びとの生活の中に根付いているのと同じ「構図」である。
 ちなみに、この「構図」のベースとなる台紙は「日本」であるが、その台紙の上には、じつに様々なファクターが配置されている。
 そのなかで、アンダーグラウンドなファクターをキャラクタリスティックに見ただけでも、「日本」には「鬼」がいる。「悪魔」ではなく、「人間」との境界が接している「鬼」である。なお、「悪魔」は西洋的な人格的要素が捨象されたような形で、「魔」として存在する(魔物は存在するが魔者はいない。魔神や魔王は西洋由来の魔〔界〕の擬人化の範疇にある)。
 で、「鬼」のほかに「妖怪」や「怨霊」などのカテゴリー下に様々な「化け物」がいる。これらは、最近の高高度テクノロジー化によって消え去ったわけではない。
 また、このようなキャラクタリスティックな存在だけではない。もっと抽象的でアドレナリン誘発型の「大和魂」や「撃てし止まん」「益荒男(ますらお)」も、古代から底堅く息づいている。その証左の一つが靖国神社の存在である。この神社は千年を超える古代からの神社ではない。しかし「日本」の文化伝統においては、明治維新以降尊崇されている。
 さて、「日本」における「鬼・魔・怨霊」等の“暗い”側面を瞥見(べっけん)したが、その意図は、「日本」の〈内〉側には、いや、「日本」においても、このような“暗い”側面が日常生活レベルで活発に息づいていることを忘れてはならない、ということである。
 つまり、「日本」的心性は、〈外〉から見ただけでは見たことにはならない、ということである。ようするに、「日本」はそのような“単純”な(シンプルに心優しい)存在では決してないし、最近やたらと“日本アゲ!”をする風潮を作出して、まるで「きたるべき21世紀型世界秩序」にうってつけの国民性人民性を「日本」と日本人が持っているーーということではないのである。
〈外〉からのみ「日本」と日本人を観察すれば、BBCやCNNが間断なく煽り続けるように、たしかにsheepleの基本メンタリティとして、世界に流布したくもなるだろう。
 しかしだ。上述したように、鬼才クルーグマン教授が惜しくも気づけなかったように、「日本」における〈内〉の広く深く苔むした領野を無視して、あろうことか、「日本(人)はsheepleマインドの模範!」と称揚するのは真に誤りである。
 2030年を目途に、あと4~5億人ほど日本人以外の「日本人メンタリティー」の人びとを育成したとしても、それは「日本人化された人びと」ではない。まさに、“人類牧場で肥育されたsheeple”そのものであり、その先駆的存在である。
「日本」を日々呼吸して生きている日本人たちは、〈内〉を捨象して〈外〉のみで生きることは不可能であるし、かりにそのような芸当を成し遂げた日本人がいたとしたら、彼/彼女は、国籍がそうなだけの優秀なsheepleではあるだろうが、「日本」を体現して日々を生き抜く「日本人」ではない。
「日本」を体現して日々を生き抜く「日本人」は、鬼才クルーグマン博士がじつに鋭く、そして科学的に立証した、「日本」社会の抱える幾多の「負の側面」を背負いつつ生きているのである。これが、現代「日本」を生き抜いている「日本人」の真の姿である。
 よって、〈外〉の巨大メディア群による”Focus Japan!”は、「日本」と日本人にとっては迷惑なハナシである。同メディア群においては、sheepleマインド・キャンペーンには役立つであろうが、「日本」を、そして日本人をその「中核」にそえることは、事実上できないと知るべきである。
「日本」と日本人は、かねてからそうしてきたように、これからもただ粛々と、日々の安寧を食(は)みながら生きてゆくだけである。

(参考記事)
さっさと布教を終わらせろ! (ポール・クルーグマン著、amaoznレビュー群)
RIETI - 為替介入資金を市場に放置デフレ是正へ新たな手段


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